Contradiction Escape ■新谷 勝(しんたに まさる) 18歳 ♂  割とまともな性格。 物事を深く考える癖がある。 ■鈴木 沙理菜(すずき さりな) 21歳 ♀  典型的なギャル系、自己中心的。 意外と洞察力に優れている。 ■中川 鈴(なかがわ れい) 17歳 ♀  性格は物静かでおとなしい。 頭が良く、謎解きは得意。 ■立川 恵(たつかわ めぐみ) 25歳 ♀  芯のある、強い女性。 年齢もあってか、リーダー的存在。 ■石川 健太(いしかわ けんた) 16歳 ♂ 体育会系で寡黙。 年下なので目上の人には敬語を使う。 ■飛蔵 藤(ひくら とう) 19歳 ♂  明るく、テンションが高い。 ムードメーカー的存在。 ■ナレ(誰でも かぶりもOK) ?歳 ? 物語の詳細を伝える重要人物。 ナレ:どこにあるか分からないい。    どういう形なのかも分からない、色も分からない。    なにもかもが不明な建物「Contradiction Escape」    ここに六人の人間が迷い込んだ。    六人の人間は、普通に日常を過ごしているただの平凡な人間達。    特別なところもなにもないが、ここに迷い込んだようだ。    この六人の人間の……「Contradiction Escape」が始まる。 新谷:……ん……くぁ……?     なんだここ? ……んお?  鈴木:ふぁー……んあ? お兄さん誰? 飛蔵:っくぁー!!! よく寝た!    っておい! なんだここ!? 中川:……?     なんですかこれ?    どこ……? 誰……?  立川:……? ここは……どこ? 石川:なんだここよ。    なぁに?     つーか誰? あんたら。 ナレ:6人の人間は目を覚まし、必死に状況を理解しようとする。 鈴木:だ〜れ? あんた達。    ってゆーかここどこ? 何ここ。 新谷:いや……だれだれ?    ……なんなんだよこれ、どうしたんだ? ナレ:6人とも立ち上がり辺りを見回す。    真っ白な部屋にいた。     SE:ドアノブ 立川:……ドア……開きませんね。 飛蔵:え? おいおい、ちょっと待てよ。    こっちはどうだ!?    ……開かねぇ……なんでだ!?     SE:ドアノブ 石川:……閉じ込められた……? 鈴木:えええ!? まじでぇ!?    ちょっと待ってよぉ、今日彼氏と遊びに行くのに!    ……今何時……あれ?    携帯止まってる……電源きれてるのかな……ちょっと待って、今つけるから。 新谷:なんで俺たちは……ここに来た……。    知らない人が五人……なぜここにきた?    ……なぜだと思う? 中川:いや、私はわかりませんよ……。    私だって不思議……あなたはどう思う? 飛蔵:いや、俺もわからない。    寝てて……朝だと思って起きたら……ここにいた。    なんなんだここ? 立川:私も寝ていて……気付いたらここにいましたね……。    みなさんもそうなんですか? 鈴木:私も寝てたぁ……っていうか携帯つかない!    なんなのここ! もー! 石川:俺も寝てたらここに……。    ……まず、ここを調べる前に……お互いの事を知ったほうが良いんじゃね? 立川:そうですね。    私は立川 恵(たつかわ めぐみ)と申します。    25歳、OLです。    はい、次、あなた。 新谷:俺? ……あ、俺は新谷 勝(しんたに まさる)っていう名前です。    高校3年生、来週、修学旅行で沖縄に……って、そうだよ、まだ準備なにもしてない……。 立川:はい、次、あなた。 鈴木:あたし? 鈴木 沙理菜(すずき さりな)だよん。    歳は聞かないでよねー。 立川:(ため息)……次、どうぞ。 石川:……あ、はい。    自分は石川 健太(いしかわ けんた)といいます。    高校1年生、サッカー部です。    次どうぞ。 飛蔵:俺は飛蔵 藤(ひくら とう)19歳、ハイ次。 中川:あ……私でいいのかな? 立川:どうぞ。 中川:私は中川 鈴(なかがわ れい)です。    17歳、高校2年生です。    ……それで……ここは一体? 立川:私もわかりません……。    先ほどドアを調べてみましたが……鍵がかかっていて開きません。 飛蔵:まずはここからどうやって出られるか……だな……。    っていうか、なんで俺たちはここにきたんだろうな……。 ナレ:六人の自己紹介が終わった後、新谷という男は、あるものに気がついた。 新谷:ちょっと待って……皆……このドア……鍵穴がない……。 鈴木:ええええええ!? まじぃ!? 中川:……なんで……。    鍵穴がないのに鍵がかかっているって……。 立川:ねぇ、あの消火器は? 調べれば何かあるかも。 新谷:……どれどれ……。 ナレ:新谷は消火器を手に取り調べようとした……すると。 新谷:あれ……なんだこの紙。 ナレ:消火器の裏に紙が張り付いてあった。    その紙を見ようと六人は集まる。 飛蔵:……明日は晴れ……昨日は曇り……明後日は……? ナレ:飛蔵は紙に書いてある文字を読み上げた。 飛蔵:なんだそれ? ……知らねぇよそんなの……。 立川:……天気……なにかヒントなのでは……? 石川:これは……日付的には今日のことなのかな?    今日から明後日……ってことかな。 鈴木:そんなの知るわけないじゃーん!    ……でも昨日は……曇りだったっけ……。 新谷:……これって、一種の脱出ゲームなんじゃないのか……? 立川:脱出ゲーム?    なんですか、それは。 石川:あ、なんか聞いたことあります……。 新谷:ネットで一時期、流行ったんだ、脱出ゲーム。    ……部屋にいろんな仕掛けがあって、いろんなところを調べると鍵とか……    こういう紙がでてきて、謎解きをして部屋から脱出するんだ。 中川:ということは……私達は閉じ込められちゃったの? 立川:そういうことになりますね……。 飛蔵:謎解き……か……でも俺、結構こういうの得意かも。    どーれ……。 ナレ:飛蔵は六人の輪から離れ部屋を調べ始めた。 鈴木:ええええええ、なにこれ、めんどくさああい!    なんで私ここにきたのー!?    早く帰って彼氏に会いたいー! 新谷:とりあえず……飛蔵さんの言う通り、部屋をくまなく調べるしかなさそうだ……。 立川:そうしましょう。    今のところヒントは……この消火器の裏に張ってある紙……。    「明日は晴れ 昨日は曇り 明後日は?」    ……他にもなにかあるかもしれません。 飛蔵:おい……なんかここの壁おかしくねぇ? ナレ:飛蔵が指さした壁の辺りは……壁紙がふやけ、明らかに他の壁とは違っていた。 新谷:……なんかこの壁おかしいな……触って大丈夫か? これ……。 飛蔵:大丈夫じゃね?     おりゃ!     SE:叩く音 ナレ:飛蔵はふやけた部分を叩いた。    ぱしっ、といい音がした。 飛蔵:んぉ!? なんかこれ硬いぞ……。 立川:……それが……ヒントだとしたら……? 中川:これが……ヒント?    ……すごく難しいと思います……。 石川:……くもり……? 立川:……私もそう見えます。 ナレ:謎解きをしている途中、鈴木が何かを見つけた。 鈴木:ねえ、天井に何か書いてない?    ……なにあれ、あたし目が悪いから見えないけど……。 立川:……80……?     数字のようですが……。 石川:80であってますよ、たぶん。    ……でも、なんの数字? 飛蔵:……なんの数字だよ……。 新谷:……なんの……なんの……さっきの紙の答え? 立川:じゃあこのふやけた壁は……? 中川:80って……頭文字とると……「はれ」……じゃないですかね? 新谷:お!? そうかもしれない。    でも、晴れ……ってわかったところで……。 飛蔵:なんなんだ……じゃあ……明後日は晴れなのか? 石川:……このふやけた壁、下から見たら……なんか文字……?っぽいのが浮き出たんですけど……。 飛蔵:んぉ、まじか! ナレ:石川の発見により、鈴木を置いて五人はそのふやけた壁に集まった。 中川:見方で文字が浮き出る……? 立川:ちょっと、下から見せてください……。    ……? 文字が書いてある……っていうのは分かるんですけど……。    なんて書いてあるか……。 新谷:上から見たら……? 石川:すこし高い位置ですね……新谷さん、僕が肩車するんで、上から見てください。 新谷:あ、ありがとうございます……。    よっ、と……。  石川:……ど、どうですか?? なにか書いてありますか……? 新谷:……5……足……ごあし……? 飛蔵:ごわし?    ……なにそれ……。 新谷:いや ごあし。    ご・あ・し。 飛蔵:ああ、ごあしか……。    ……いやなにそれ。 結局なにそれ。 中川:意味が分かりませんね……。 立川:鈴木さん、5足って……なにか分かりませんか? 鈴木:しらなーい。    足が5本? 新谷:……5……本……。 石川:新谷さん……も、もういいですか……? 新谷:ああ……すみません、どうぞ。 ナレ:石川は、肩車していた新谷を下ろした、その瞬間……。 新谷:あ! ちょっと待った! 今なんか見えた! 石川:え!? 立川:なにが見えましたか……? 新谷:……わかんない……。    ……?     よっ、と。 ナレ:新谷はその場でジャンプした 新谷:ほっ……おっ? なんだっ、これはっ……ローマ字? 立川:……ローマ字……? 新谷:E T T A S A 立川:ETTASA(イーティーティーエーエスエー)……えったさ? 中川:なんですかそれ……? ナレ:なぞなぞで頭が混乱状態の五人……すると鈴木が……。 鈴木:ねー、天井の電気。    あれ横からみたらAじゃない? ナレ:透明の電気で、横から見るとAの文字に見えることに気がついた鈴木。 新谷:A……ETTASA?    ……あ、分かったかも。  立川:なんですか? 飛蔵:お? なんだ、分かったのか? 新谷:明後日、じゃない? ローマ字を逆から読むと。 立川:……なるほど……でも、これが分かったところで、なにか進展は……。 飛蔵:ないな……。 中川:明後日は晴れ?    じゃあ紙の正解は明後日は晴れ……かな。 新谷:じゃあ、さっきの「ごあし」は……? 飛蔵:ちょっと待て。    なんだ? 消火器の置くところ、虫めがねみたいになってる。 鈴木:あたし、さっきもそれ思った〜。 新谷:ちょっと覗いてみてください。 飛蔵:お、おう……。    ……あさって はれ ここ……?    って書いてあるぞ……これでいいのか……? 新谷:……分かった! 「ごあし」って、歩数のことじゃないかな。 立川:あ……それは思いつきませんでしたね……じゃあ……ここから五歩……。 新谷:進んでみます。 ナレ:そういって新谷は進んで自分から、消火器の下まで進んだ。 新谷:1……2……3……4…………5……? ナレ:新谷の足元でボコっと音がした。 SE:ボコッ 新谷:うわ! 立川:どうしました? 新谷:足元でなんか……?    なんだこれ……。 ナレ:新谷は足元を叩いたり、さすったり、様々な行動をとった。    ジャンプ……蹴る……叩く……。    すると、何かが上から落ちてきた。     SE:金属音 新谷:いてっ! なんだこれ……!    ……磁石? 立川:磁石……? 中川:磁石……。 飛蔵:それをドアノブに当ててみたらどうだ? 鈴木:お!? もしかして出られる!? 新谷:……どうだ!  ナレ:新谷は磁石を鍵穴のないドアノブにあわせた。    すると……開いた。 新谷:開いた!     ……開いた……けど……外じゃないぞ……。 鈴木:えええ!? どういうこと!? ナレ:六人はドアを開けて出てみると……。 新谷:また部屋だ……。 中川:……。 立川:……。 飛蔵:……。 鈴木:……。 石川:……。 新谷:……?     あれ、みなさん……どうしたの? ボーっとして……。 ナレ:新谷を除いた五人は、その場に立ち尽くしていた。 新谷:ちょっと……みんな? どうしたの? 中川:あれ? ……ここ……どこ?     あれ? あなただれ……? 立川:……?    なんなんですかここ。    誰? あなた方……。 飛蔵:なんだここ。    ……? 誰だあんたら。 鈴木:?     ちょ、なに、どこ、ここ。    お兄さん達だれ? 新谷:え……?    ちょっとちょっと、みんなどうしたの?。    ……ちょっと、立川さん? 立川:え……なんで私の名前知ってるんですか……?    あなた誰……。 新谷:え? 俺ですよ 新谷ですよ!?     なになに? どうしたのみんな! 石川さん? 石川:……何だよあんた。    なんで俺の名前を知ってんの? 新谷:えええ!?    さっき俺と肩車したじゃないですか!! 石川:はあ……?    ……あんた……何者だよ。 鈴木:あんた?    あんたがここに連れてきたの? 新谷:えっ!? ちょちょ、ちょっと待ってよ! ナレ:言い忘れたことがひとつ。    実はこの「Contradiction Escape」の中は……    何億、何兆もの部屋があり、その部屋に入るたび、一人を残して記憶が消去される……。    よって、残された一人は犯人扱いされ……迫られることになる。    その中でどうやって答えを見つけていくか……。    それによって出られる部屋も違う。    そして……最終的には出口に辿り着く。    そう、出口はあるのだ。    さて……どうやってここを脱出するか……この六人……見ものだ。 END