Disappear in the war. レイト(男)……普通の男。演じる者によってイメージが変わる。 セニア(女)……冷徹で感情をあまり表に出さない女性。 レイト「戦争とは……国家が自国の安全を守るため、もっとも原始的かつ暴力的な紛争解決手段であると言える。     お前にとって、戦争とはなんだ」 セニア「私は……戦争は嫌いですが、自分がヒーローになるような幻想を見ることができ、優越感に浸ると同時に……     ……恐怖もあり……具体的にどうこう言えるものではありません。」 レイト「そうか……俺もそうだ。 戦争とは不思議なものだな。     国はどうやら、子供を育てるより戦争のほうが好きらしい。     金が大幅に戦争経済の方に傾いている。     おかしなものだな……」 セニア「……私はこれで……」 レイト「待て、お前は何者だ」 セニア「……私は極秘裏に手配されたスパイです」 レイト「スパイ……そうか……。     しかしお前は悪そうな奴じゃないみたいだな」 セニア「だからこそスパイに選ばれたのかも……いいお話を聞かせてもらってありがとう」 レイト「構わん……。     またどこかで会えたらよろしく頼むよ」 セニア「ええ」     2017年・・・私はKGBによってアメリカに派遣された、      表向きはニューヨークで頻繁に行われている「武器の密輸」を阻止する調査員として。     名前はセニア……だけど名前は飾りだと思っている。     私にとって名前なんてものは・・・無意味なもの。     ……今起こっている事態……。     それは、アメリカがロシアに向けてAGM−86B巡航ミサイルに代わる      新型ミサイル・・長距離巡航ミサイル(LRSO)      を発射するという情報をKGBが極秘裏に掴んだ。     これが真実ならば、アメリカとロシアで・・・・いや第三次世界大戦の引き金になりかねない。     その可能性があり、私はアメリカにスパイとして派遣された。     ……しかし、アメリカに来て、もう一ヶ月が過ぎたが、核爆弾どころか軍が動く気配すらない・・・。     今はもうアメリカに住み込んでいるような感じすらする。     ただのデマだったのであろうか……だとしたら一体、核爆弾発射のデマを流したのは誰なのか……。     いや、まだデマだと決め付けてはいけない……。     しかし……。     ……不気味な緊張感に包まれたまま刻一刻と時は過ぎ、すでに一ヶ月が経過していた。     2017年3月2日。     この日、私はとんでもないものを目にした。     アメリカに潜んでいた悪魔の兵器、長距離巡航ミサイル(LRSO)は、ロシアの地中で開発が行われていたのだ。     アメリカは地下通路を作り、ロシアまでの道を作り上げていた。      この情報は極秘裏に政府から私に袖移しされたものだ。     信じられない……ここ一ヶ月間で地中に道をつくり、このアメリカとロシアをつなげる道を作るなんて……。     諜報戦の基本は「まさかそんなところを」という所を突くのが基本だが・・・信用しろというほうがむちゃだ     しかし信じざるを得なかった……。     この目にしたときは……。 レイト「2017年2月14日(じゅうよっか)」 セニア「私はアメリカのニューヨークに来ていた。     背中に銃を持って……」 レイト「人間は……なんでこうも憎しみ合うんだろうかな……。     今日は……2月14日、俺は古い友人との約束を果たすためニューヨークに来ていた。     そしてハーレムにあるスラム街の路地裏……暗い道にいつもの溜まり場がある。     俺は戦争は嫌いだが、銃は好きだ。 銃は決して裏切らず俺を守ってくれる・・     俺は、この路地裏で銃を秘密裏に購入している。     ここでは、そこらへんの売人が売りに出せないようなヤバい銃が流通しているからだ。     そこで友人に会い、お決まりの挨拶を交わした      それと同時か、後ろからこの場に似つかわしくない女が歩いてきた・・・・女は何の感情もなく淡々と言った、」 セニア「どうもこんばんわ、ここで銃を密売しているという情報を入手しました、あなた達の行動は筒抜けです。     発砲許可も出ています・・・大人しく売品を置いて立ち去ることをお勧めしますよ?」 レイト「状況を把握するのに時間がかかった。     警官にも見えない警官のフリをして物を横取りしようとする輩にもみえない。     帽子をかぶり、素顔はあまり晒さない女だった」 セニアN「一食触発……相手も銃を持っている。     しかし、私はこういう危機下で恐ろしく冷静になれる。     もちろん恐怖心はあった、だが頭と体は氷のように冷静だった」     レイトN「売人は威嚇するかのように女に怒鳴ったが女は平然とした態度で受け流す。      だが売人が懐に手を入れた瞬間、乾いた音が街に響いた。     女は引き金を引いていた。      いい腕だ・・・      俺は何もしなかった。      さっきまで話していた奴らが、何も喋らないただの肉の塊に変わっていくこの感じ・・・      そう、まるで戦争そのものだ      何も変わりはしない、戦争なんてものは・・・・そんなものは、突き詰めてしまえばただのガキの喧嘩だ。     ……俺は……戦争は嫌いだ……」 レイト「??……俺は殺さないのか?」 セニア「戦う意思もなく、自ら生きようとしない人間を撃つ必要はない」 レイト「戦う意思ね……確かにな(苦笑)。     ……ところでお前は何者なんだ。     なぜこんなところへきた?まさかその腕でただの麻薬捜査官ってわけでもないだろう? セニア「・・・・・(ため息)嘘をついても無駄なようね・・・貴方こそなにものなの?」 レイト「質問を質問でかえすなよ」 セニア「私は……この国で・・・LRSO・・簡単に言うと核爆弾が発射されると聞いて、ロシアから来ました。     銃の売買の金がどこに流れているかご存知?、密売人が儲かるともっと厄介なことが起こり得ます」 レイト「なるほどな、それがアンタの言える限界って所か・・・まぁスパイってところが妥当か・・・・黒幕はフリーメイソンの幹部か?」(からかうように) セニア「……私は、祖国で血を流させないため、自分にできることをやるだけです。     今日はこうやって密売されてる場所を潰してまわっています」 レイト「そりゃご苦労なことだ……そうか……それじゃ、また会うかもな。     俺はこの辺で失礼する」 セニア「結構、私も別の場所に行かなければ」 レイト「俺たちはそこで一度別れた。     銃は何をするためにある……?     人を殺すためだ。     そのために銃は存在する。     いや、そんなことはわかりきっていたはずだ・・・。      俺にできることなんて何もない      あの女にあってからどうも調子が狂う     さっきの銃撃戦を見て……あの女にあって……。                俺は他の密売所に向かった」 セニア「銃なんて大嫌いだ。     でも・・・私たちの祖国を守るには、故郷を守るには、友人を、     家族を守るには……殺すしかなかった」 レイト「俺の通っていたもうひとつの密売所。     いつもどおり顔馴染みのゴロツキに挨拶をすまし・・・・。     そして・・・・そして、何も言わずに、発砲した。」 セニア「そして二つ目。     情報どおり密売場所は灰ペンションが使われているようだ。     最初に警告をしたが、スラムをで生きる彼らに通じるはずもなく・・・射殺した。     そして銃を回収し、密売を阻止・・・した」 レイト「そして……」 セニア「三つ目」 レイト「俺は今、地下にあるレストランが並んだ通路に立っている。このどれかがそうだ。」 セニア「私は今、地下にあるレストランが並んだ通路に立っている。このどれかがそう。」 レイト「すると向こうから見覚えのある女が歩いてきた」 セニア「すると向こうから見覚えのある男性が歩いてきた」 レイト「……お前……さっきの女か」 セニア「なぜここにいるのですか」 レイト「目的はお前と一緒だ、。」 セニア「あなたも武器密売に関与しているのではなかったのですか?」 レイト「ああ、そうだな.....そのとおりだ自分でもどうかしてると思うよ」 セニア「ならば、何故?」 レイト「気が変わったんだよ」 セニア「気が変わった?」 レイト「そうだよ、ちょっとだけつまらね〜話聞いてもらっても言いか?まぁいやだって言われても言うんだけどよ     俺は昔軍人だった、そのときは本気で国を守ってやるっておもってたし、そのためなら人を殺すことも     厭わない、そう考えてたんだ・・・・・」 セニア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 レイト「それで、戦争になった時真っ先に志願して自分から戦地に乗り込んだんだ、でもよ・・・・そこで俺たちが命令で殺してたのは無抵抗な一般人、自分のしてることが本当に正しいのか分からなくなった・・・・いや本当は気づいてた、こんなものが正しいはずがねぇて、それでも戦うしかなかった戦わないと俺が死んじまうからな、そんで戦争が終わって自国に帰ってみると、今度は焼け野原になった俺の故郷が出迎えた、親も、友達も、お気に入りのBARも、イケスカねぇ隣のおっさんも、全部なくなってた、そこでやっと気づいた・・・俺たちは政治家にまるでボードゲームをするかのように、殺し合いをさせられて、守るべきものも失っていくってことを、戦争で傷つくのはいつだって力の弱い国民だ、上の奴らは自分の力で大勢の人間が殺し合いをしているのを面白おかしく眺めてるだけなのさ」 セニア「そうですか・・・・(言葉をかけようとするが出てこない)・・・それで、ここにある武器密売の場所を潰しに?」 レイト「ああ、そうだ・・。 ……なにか情報はないのか?     何か目印になっているものは?」 セニア「私には分かりません、あちこちを探しても」 レイト「……二手に分かれて探そう」 セニア「……ええ」 レイト「そういって別れた瞬間だった。     あれだけ暴れれば無理もない、売人殺しをした俺たちに対し他の売人たちが報復しにきたのだ      ちょうどいい手間が省ける」 セニア「そう、彼とその方向を見たのは同時だったわ。 そして……」 レイト「その後ろに歩いていた男、太ももに銃をしまうホルスターがちらりと見えた。     一目で分かった。     あれは護身用の銃のホルスターではない」 レイト「ポケットに手を突っ込み発砲を準備している奴と」 セニア「腰にしまってある銃を握る男、合わせて5人」 レイト「……お前ら」 セニア「銃器密売は法で禁じられています。     今すぐ銃を捨て、ここを立ち去れば何もしません。     抵抗するなら……射殺します」 レイト「……撃ってくるだろうな……ほら」 セニア「応戦してください!」 レイト「ああ」 レイト「慣れていると言っても所詮は街のガンマンであるたかが知れている」 セニア「私が彼らの気を引き付けます!貴方はその間に奴らを無力化してください」 レイト「おいおい、今日あったばかりの男の腕を信用するのかよ?」 セニア「できますよ、貴方ならきっと・・・・それに万が一だめでも私にはこのくらいの状況切り抜けるだけの腕は持っていますから」 レイト「食えない女だ、わかった後は任せろ」 セニア「いきます!!」 レイト「おう!」 五発速射の銃声 一気に五人を射殺した レイト「勝負はあっけなかった」 セニア「はぁ……」 レイト「怪我は?」 セニア「無傷よ」 レイト「そうか……この銃を人殺しに使う日が来るとはな・・・・少し嫌いになった。     しかし、俺も撃たないと殺される」 セニア「私もその考えです。     自分の身を守るには銃を持たなければならない」 レイト「戦争もそうだ。     戦争とは……国家が自国の安全を守るため、もっとも原始的かつ暴力的な紛争解決手段であると言える。     ……お前にとって 戦争とはなんだ」 セニア「私は……戦争は嫌いですが、自分がヒーローになるような幻想を見ることができ、優越感に浸ると同時に……     ……恐怖もあり……具体的にどうこう言えるものではありません」 レイト「そうか……俺もそうだ。 戦争とは不思議なものだな。     国はどうやら……子供を育てるより、戦争のほうが好きらしい。     戦争がより強い国が正義・・・正義とは正しいことをしたからではなく勝ったから正義なのだってね。     おかしなものだな……」 セニア「……私はこれで……」 レイト「待て、名前を聞いていなかったな」 セニア「……私はアメリカの諜報部員……もといスパイで、セニア・ウクラといいます」 レイト「スパイ……?     いいのか? こんな見ず知らずの人間に身元を明かしても」      セニア「あなたが銃を嫌うようになったのと同じです、私も考え方が変わりました。     戦争を防ぐため、一人で武器密売を阻止していても何も変わらない……」 レイト「……そうか……。     しかし、スパイには見えない。     お前は悪そうな奴じゃない」 セニア「だからこそスパイに選ばれたのかも……」 レイト「なるほどな……よかったら手を組まないか、同じ考え同士」 セニア「……断る理由は見つかりません。     私でよければお願いしますよ、パートナー。     あなたの名前も聞いていませんでしたね」 レイト「俺はレイト。 レイト・デコラだ。     次は……」 セニア「ウェスタン通りです」 レイト「(鼻で笑う)ウェスタン通りか俺の故郷だ……懐かしいな」 セニア「やめとく?……」 レイト「くだらないことを言うな・・・・行こうぜ」 セニア「ええ」